工商時報によると、公開したテスト結果情報でムーンショットAIは、Kimi K3がAI Agentを48時間連続稼働させ、アーキテクチャ設計、RTLコード生成、論理合成、配置配線(P&R)からシミュレーション検証に至る一連のチップ設計プロセスを単独で完了したと表明。今回のデモでは、オープンソースのEDAツールとNangateの45nm(ナノメートル)プロセスライブラリを使用し、面積約4mm²のチップ(約146万個のスタンダードセル、0.277MBのSRAMを搭載し、INT4 MACアレイを実装)を設計、100MHzの動作周波数でタイミング収束(クロージャー)を達成したとした。
同紙は、Kimi K3はチップ設計及びテープアウト前シミュレーション(Tape-out Simulation)を完了させることで、AIがクロスドメイン推論、コード生成、及びEDAプロセスのオーケストレーション能力を備えていることを証明したと主張していると指摘。ただこれについて、台湾の半導体業界では、現在はあくまで概念実証(PoC)の段階であり、商用量産への本格適用にはなお時間を要するとの見方が大勢を占めていると紹介した。
同紙の伝えた台湾系IC設計業者は、「半導体設計は各工程でファウンドリとの緊密な連携が不可欠だ。現時点でAIは設計者を支援するツールであって、EDAツールそのものを代替する存在ではない」との見方を示した。実際のテープアウト(設計完了・製造委託)前には、DRC(デザインルールチェック)、LVS(レイアウトと回路図の一致検証)、信頼性検証、及びファウンドリのPDK(プロセス設計キット)認証等、厳格なサインオフ(Signoff)プロセスが必須であり、これらは依然としてシノプシスやケイデンス等の主要EDAプラットフォームに大きく依存しているとした。
一方、同紙の伝えた台湾の市場関係者は、AIエージェントの普及がシリコンIP及びIC設計業界に新たな成長サイクルをもたらすと指摘。AIがRTL開発、アーキテクチャ探索、IP統合、検証、自動デバッグを支援することにより、SoC(システムオンチップ)の開発効率は劇的な向上が可能だとした。その上で、これにより、高速インターフェースIP、メモリIP、セキュリティIP、AIアクセラレータIP等のライセンス需要が拡大し、M31、eMemory(力旺)、GUC(創意)をはじめとする台湾系IPベンダーやIC設計サービス、ASICサプライチェーン全体にも恩恵をもたらすとの見方を示した。
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